知られざる秘境
知られざる秘境
ナパ・ヴァレーの標高480メートの山間に位置するケンゾー エステイトは、ニューヨークのセントラルパークの5倍の広さに匹敵する 470 万坪の土地を有しています。その土地の手つかずの大自然の森林のうち、葡萄樹が植えられているのはたった18万坪だけ。大自然に守られて、エステイトの湧き水からできた湖、泉、小川、多様な針葉樹、オーク、マンザニータの木々に囲まれ、野ブタ、コヨーテ、マウンテンライオン、鹿、七面鳥、ボブキャットなどの野生動物が、ワイナリーのお客様の目に留まることも珍しくありません。ここには訪れる人々を温かく迎え入れる下界の喧騒から離れた大自然があります。
葡萄畑
周囲を山々に囲まれたケンゾー エステイトの葡萄畑は、敷地全体のたった4%を占めるに過ぎません。葡萄が成長する季節、ナパヴァレーに流れ込むサンパブロ湾からの海霧が、明け方のひと時、エステイトを包み込みます。この冷たい空気が夏の気温上昇を抑え、収穫期間を延ばし、葡萄の実を、自然の酸味とフェノールを保ちつつ、理想的に熟成させることが可能になるのです。これによって豊かで凝縮された風味が、葡萄にもたらされます。
「ケンゾー エステイトのテロワールに、
私は計り知れない可能性を見た」
葡萄栽培家 デビッド エイブリュー
土壌は主にハンブライト質で、火成岩が風化した薄いローム層から形成されています。起伏に富んだ地形が、地質的な多様性からくる幅広く豊かな味わいを葡萄にもたらします。しっかりとしたフレイバー、力強さ、洗練されたエレガンスを備えた、山間で収獲された果実のみが持つ豊かな風味を作りだすのです。2002年初頭、著名なブドウ栽培家デイビッドエイブリューが、18種のクローンと、6種の台木を使って、9フェースに分けてボルドー品種の植え付けを行いました。葡萄の各品種の特徴を最大限に引き出すように、葡萄は各ブロックに分かれて植えられています。
ワイナリー
敷地の中央に位置するのがケンゾー エステイトのワイナリー。著名な建築家からなる建築会社「バッケン・ギリアム・クローガー」の設計によるワイナリーの建物とケーブは、天然の木材と石から作られ、伝統的なカリフォルニアの納屋のスタイルのなかに、日本風の趣を備えて、訪れる人を迎えます。
静寂な谷で、オリーブの実をつける
古木に囲まれたワイナリー。
タンクルームは最先端の設備を備えた3つの建物で構成されています。1つは白とロゼワイン専用のスペースで、最も大きなスペースは赤ワインの生産に使われます。
ソーヴィニヨンブランとセミヨンは、白ワイナリーで房ごと丁寧にプレスされ、ニュートラルのオーク樽とステンレスタンクに移され、発酵が始まります。赤ワイナリーでは、葡萄が手作業で丁寧に分けられ、慎重に分別され、プレス機に送られるのは完璧な葡萄だけ。自重で落ちた果汁は、ステンレススチールあるいはコンクリートのタンクへ入れられ、2週間にわたり、ゆっくりとポンプオーバーとパンチダウンが行われます。
ワインは、ワイナリーに隣接する丘に直接掘られたケーブの中で、じっくりと熟成の時を重ねていきます。小高い丘の上に生い茂った緑が、太陽からの熱を吸収し、自然のままで14~16度という涼しい環境を創ります。2000平方メートル近いケーブは、建築的に細心の注意を払って設計されました。ケーブの導線は葡萄の木と一直線にならび、セラーのチームにとって、この上なく機能的な環境を創り出しています。
2010年、ケンゾー エステイトのテイスティングルームがオープンし、世界中からのお客様をこの土地でお迎えするという辻本憲三の長年の夢が実現します。太陽の光が差し込む静謐なテイスティングルームは、石造りの床とオーク材から作られています。温かみのある木製のカウンターやプライベートのテラスで、あるいは屋外のパティオで、葡萄畑に囲まれ、美しいエステイトの風景を眺めながら、アウトドアテイスティングをお楽しみください。